2007年 12月 23日
ガムランカフェ+ワヤン クリッ |
昨夜までの冷たい雨が上がり、いい天気になった。
さぁ、今日はCapHouseにて最後のガムラン。
いつも練習に遅れがちの僕だが、今日だけは一番乗り。
ゴン(楽器の名前)の前に座ってボンヤリしていると先生がやってきて、ジャワみたいだと笑われる。
なんでも、ジャワでは年長者がゴンを演奏していて、楽器のところへ行くと今日のように
誰よりも早くから楽器のところに坐っているそうだ。(笑)
昼過ぎまで軽くリハーサル、やっぱりココは音が響いて気持ちが良い。
最後に良い場所で演奏が出来ることをうれしく思う。
だんだんと人が増えてくる、多くの知人が来てくれた事に驚きと感謝。
本当にありがとうございます!!
演奏の方は、まぁ「いつもの僕ら」らしく、ちょっと緩めの演奏が出来たと思う。
きっと来て下さった皆さんにも伝わったと思う。
さて、今日のワヤンのお話は分かりましたか?
別にストーリーが分からなくても、軽妙な語りと人形捌きを楽しむだけでも十分です。
が、一応解説してみようと思います。
今日の話は「デォルチ」というタイトルのお話でした。この話はもともとインド由来の神話、
「マハーバーラタ」という長大な物語を背景にして作られたお話です。
だから、まずこのマハーバーラタのことを知らないと今日のお話しもちょっと分かりにくいです。
このマハーバーラタは簡単に言うと、インドで、とある一族(バラタ族)が「パンダワ」と「コラワ」という
2つの対立するグループに分かれてしまい、全世界を巻き込んでの大戦争に陥ってしまう話です。
そして、このパンダワがどちらかというと正義で、5人の王子というのが登場します。
その5人の名前はそれぞれ「ユディスティロ」「ビマ」「アルジュノ」「ナクラ」「サハディボ」といいます。
今日の話はこの2男の「ビマ」のお話でした。ちょっとだけ3男の「アルジュノ」も登場しました。
さて、もう一方のコラワの側は悪役です。パンダワの5王子に対してコラワは100人います!
一番のワルは長男の「ドルユドノ」で、今日も計略を巡らせてビマを殺してしまおうと企みます。
マハーバーラタのお話を知っているとこの登場人物が出てきただけで、大体の見当がつきます。
たとえばこのビマというキャラは身体が大きく怪力で粗野ではあるが、非常に純真な心の持ち主
として知られており、ワヤンの世界ではヒーローの一人です。
一方のドルユドノは卑怯で狡猾、嫉妬深いが力はビマに匹敵する悪の総大将です。
今日出てきたもう一人のキャラを覚えているでしょうか?ちょっと小柄な老人の役です。
名前を「ドゥルノ」と言います。ドゥルノは先生と呼ばれていましたね、彼は実はパンダワと
コラワが分裂する前、双方の者に武術を教えた武芸の先生だったのです。
今は訳あって、分裂したコラワの方に付いて参謀として戦略を立てていますが、
実は心の中ではパンダワの方に心を寄せているという人物です。
さぁ、お話が始まりました。
ドルユドノは決戦を前にして、強敵のビマを事前に殺害しようと企て、師匠のドゥルノに相談します。
ドゥルノはビマを「完全な生命」に付いて教えてやると言って誘い出し、答えが知りたければ
森の中の洞窟にある「生命の水」を持ってくるようにと指示します。
純真なビマはかつての師匠の命令とあれば危険を顧みず、森へと分け入ります。
森ではトラやゾウが出てきますが、ビマは素手でなぎ倒して進みます。
森の奥に着くと、そこには「生命の水」などなく、2匹の鬼(ラクササ/化け物)が待ち構えていました。
これこそ、ビマ殺害の計略だったのです。
ビマと2匹の鬼は死闘を演じます。戦いの内にビマは必殺技で2匹の鬼を炎で焼きます。
すると、どういう訳か焼かれた化け物から2人の神が姿を現すのです。
とある呪いにより化け物の姿になっていた神々が、ビマの力により呪いから開放されたのです。
神々はビマに「水の中でも息が出来る指輪」を授け、ドゥルノの元へ帰るように言います。
-----------------------------------------
ここで、ゴロゴロと呼ばれるお楽しみコーナーが挿入されます。シリアスな話が続くと疲れるので。
今日はゴロゴロに入る前に「クダガン」という名前の歌の曲を演奏したので、語り手はその解説を
道化役の人形を用いて試みていましたね。
わかりましたか?
このコーナーでは、例えばワヤンが結婚式の出し物として上演されていたのなら2人を祝福したり、
今日は次の場所を探していることを訴えたり、神話の世界から、日常生活の方へシフトしてきます。
ベタなギャグと共にゴロゴロお終い。
---------------------------------------
そうこうして、ビマはドゥルノの元へ帰り、「生命の水」は森に無かったことを告げます。
するとドゥルノは森に行くように言ったのは、お前に試練を与えるためで、
本当は「生命の水」は海の中にあるのだとビマに言います。
ここに至りビマはそれが策略であることを知りつつも命令に従い、波巻く海へと飛び込みます。
海の中では、今度は大蛇が現れてビマを苦しめます。
辛くも大蛇を打ち負かしたものの、戦いに疲れビマはついに海の底深くで
段々と意識が遠くなってしまいます。。。。
しばらくすると、ビマの目の前に小さな神が不意に現れるのでした。
この神こそが内なる神「デォルチ」です。
デォルチはビマに「人の世の真理」に関する教えを授け、命ある限りその使命を果たせと告げます。
(ビマはここで悟りを開いちゃいます。)
そのころ、地上では海に入って帰らないビマを思い、ドゥルノが良心の呵責に心を砕いていました。
いくら今は敵対する立場とはいえ、かつての可愛い弟子を策略に嵌めてしまった事に心痛め、
自分もまた波巻く海に身を投げようとしていたのです。
ついにドゥルノが海に身を投げたそのとき、ビマが海の底より現れて師匠の身を救います。
そして、ビマは海底でデォルチに授けられた教えに付いて師匠に報告するのでありました。
ところが、海から帰還したビマの姿を見てドルユドノの追っ手が兵を仕掛けて来ます。
さぁまた戦いが始まりました、
駆けつけた3男のアルジュノも加勢して必殺の弓矢を放ち敵兵を蹴散らします。
おのれ!ドルユドノめ!!
戦いはまだまだ果し無く続きます。
このお話の続きは、また何時か何処かで。
さぁ、今日はCapHouseにて最後のガムラン。
いつも練習に遅れがちの僕だが、今日だけは一番乗り。
ゴン(楽器の名前)の前に座ってボンヤリしていると先生がやってきて、ジャワみたいだと笑われる。
なんでも、ジャワでは年長者がゴンを演奏していて、楽器のところへ行くと今日のように
誰よりも早くから楽器のところに坐っているそうだ。(笑)
昼過ぎまで軽くリハーサル、やっぱりココは音が響いて気持ちが良い。
最後に良い場所で演奏が出来ることをうれしく思う。
だんだんと人が増えてくる、多くの知人が来てくれた事に驚きと感謝。
本当にありがとうございます!!
演奏の方は、まぁ「いつもの僕ら」らしく、ちょっと緩めの演奏が出来たと思う。
きっと来て下さった皆さんにも伝わったと思う。
さて、今日のワヤンのお話は分かりましたか?
別にストーリーが分からなくても、軽妙な語りと人形捌きを楽しむだけでも十分です。
が、一応解説してみようと思います。
今日の話は「デォルチ」というタイトルのお話でした。この話はもともとインド由来の神話、
「マハーバーラタ」という長大な物語を背景にして作られたお話です。
だから、まずこのマハーバーラタのことを知らないと今日のお話しもちょっと分かりにくいです。
このマハーバーラタは簡単に言うと、インドで、とある一族(バラタ族)が「パンダワ」と「コラワ」という
2つの対立するグループに分かれてしまい、全世界を巻き込んでの大戦争に陥ってしまう話です。
そして、このパンダワがどちらかというと正義で、5人の王子というのが登場します。
その5人の名前はそれぞれ「ユディスティロ」「ビマ」「アルジュノ」「ナクラ」「サハディボ」といいます。
今日の話はこの2男の「ビマ」のお話でした。ちょっとだけ3男の「アルジュノ」も登場しました。
さて、もう一方のコラワの側は悪役です。パンダワの5王子に対してコラワは100人います!
一番のワルは長男の「ドルユドノ」で、今日も計略を巡らせてビマを殺してしまおうと企みます。
マハーバーラタのお話を知っているとこの登場人物が出てきただけで、大体の見当がつきます。
たとえばこのビマというキャラは身体が大きく怪力で粗野ではあるが、非常に純真な心の持ち主
として知られており、ワヤンの世界ではヒーローの一人です。
一方のドルユドノは卑怯で狡猾、嫉妬深いが力はビマに匹敵する悪の総大将です。
今日出てきたもう一人のキャラを覚えているでしょうか?ちょっと小柄な老人の役です。
名前を「ドゥルノ」と言います。ドゥルノは先生と呼ばれていましたね、彼は実はパンダワと
コラワが分裂する前、双方の者に武術を教えた武芸の先生だったのです。
今は訳あって、分裂したコラワの方に付いて参謀として戦略を立てていますが、
実は心の中ではパンダワの方に心を寄せているという人物です。
さぁ、お話が始まりました。
ドルユドノは決戦を前にして、強敵のビマを事前に殺害しようと企て、師匠のドゥルノに相談します。
ドゥルノはビマを「完全な生命」に付いて教えてやると言って誘い出し、答えが知りたければ
森の中の洞窟にある「生命の水」を持ってくるようにと指示します。
純真なビマはかつての師匠の命令とあれば危険を顧みず、森へと分け入ります。
森ではトラやゾウが出てきますが、ビマは素手でなぎ倒して進みます。
森の奥に着くと、そこには「生命の水」などなく、2匹の鬼(ラクササ/化け物)が待ち構えていました。
これこそ、ビマ殺害の計略だったのです。
ビマと2匹の鬼は死闘を演じます。戦いの内にビマは必殺技で2匹の鬼を炎で焼きます。
すると、どういう訳か焼かれた化け物から2人の神が姿を現すのです。
とある呪いにより化け物の姿になっていた神々が、ビマの力により呪いから開放されたのです。
神々はビマに「水の中でも息が出来る指輪」を授け、ドゥルノの元へ帰るように言います。
-----------------------------------------
ここで、ゴロゴロと呼ばれるお楽しみコーナーが挿入されます。シリアスな話が続くと疲れるので。
今日はゴロゴロに入る前に「クダガン」という名前の歌の曲を演奏したので、語り手はその解説を
道化役の人形を用いて試みていましたね。
わかりましたか?
このコーナーでは、例えばワヤンが結婚式の出し物として上演されていたのなら2人を祝福したり、
今日は次の場所を探していることを訴えたり、神話の世界から、日常生活の方へシフトしてきます。
ベタなギャグと共にゴロゴロお終い。
---------------------------------------
そうこうして、ビマはドゥルノの元へ帰り、「生命の水」は森に無かったことを告げます。
するとドゥルノは森に行くように言ったのは、お前に試練を与えるためで、
本当は「生命の水」は海の中にあるのだとビマに言います。
ここに至りビマはそれが策略であることを知りつつも命令に従い、波巻く海へと飛び込みます。
海の中では、今度は大蛇が現れてビマを苦しめます。
辛くも大蛇を打ち負かしたものの、戦いに疲れビマはついに海の底深くで
段々と意識が遠くなってしまいます。。。。
しばらくすると、ビマの目の前に小さな神が不意に現れるのでした。
この神こそが内なる神「デォルチ」です。
デォルチはビマに「人の世の真理」に関する教えを授け、命ある限りその使命を果たせと告げます。
(ビマはここで悟りを開いちゃいます。)
そのころ、地上では海に入って帰らないビマを思い、ドゥルノが良心の呵責に心を砕いていました。
いくら今は敵対する立場とはいえ、かつての可愛い弟子を策略に嵌めてしまった事に心痛め、
自分もまた波巻く海に身を投げようとしていたのです。
ついにドゥルノが海に身を投げたそのとき、ビマが海の底より現れて師匠の身を救います。
そして、ビマは海底でデォルチに授けられた教えに付いて師匠に報告するのでありました。
ところが、海から帰還したビマの姿を見てドルユドノの追っ手が兵を仕掛けて来ます。
さぁまた戦いが始まりました、
駆けつけた3男のアルジュノも加勢して必殺の弓矢を放ち敵兵を蹴散らします。
おのれ!ドルユドノめ!!
戦いはまだまだ果し無く続きます。
このお話の続きは、また何時か何処かで。
by sepeda83
| 2007-12-23 23:59
| 日記